隣町バー『火鉢』とは〜バーを始めた理由その1

そろそろ、バーのママを始めた理由を書かねばならないのだが、前回の最後にも書いた通り、文体をどうするかでちょっと迷っている。ママなのに「だ調」…。しかし、ですます調で語れるほど、気持ちに余裕もない。女言葉を使うのもわざとらしい。それで、あらためて前回の投稿を読んでみたのだが、やたらと体言止めが多い。そうなると、文体云々より、文章が下手で読みづらいだけってことか…。とりあえず、体言止めばかりにならぬよう気をつけよう。

と、ここまで書いて、初回の投稿にも、どこでどんなバーを始めたのか、基本的なことを書いていないのに今頃気づいた。バーを始めた理由より先にまずそれだろうと自ら突っ込む。これでは既に常連となってるお客さんや私の知り合いにしか分からない。バーのお客さんを増やすためにこのブログを書いているというのに何の意味も無いではないか。

というわけで、バー「火鉢」である。
正しくは、隣町バー「火鉢」という店名。品川区、東急池上線の荏原中延にある喫茶店・隣町珈琲の営業終了後、夜の時間帯(18〜22時)に営業している。10月はプレオープン期間として、不定期営業、メニューや価格も実験的にいろいろお試し中。

この隣町珈琲は「小商いのすすめ」や「移行期的混乱」などの著者であり、声と語りのダウンロードサイト・ラジオデイズを運営するラジオカフェの社長でもある平川克美さんがオーナーの喫茶店だ。月のうち何日かは喫茶店終了後にトークイベントなどが行われ、その音声をラジオデイズで販売している。

私は5月の終わり頃、そのトークイベントに聴衆として参加したのだが、終了後に雑談で、金欠だと話していたら、いつのまにか昼間の喫茶店で週一のアルバイトをすることになっていた。ちょうど、それまでのバイトの人が辞めて、店長1人で困っていたところだったらしい。で、6月からこの喫茶店に週一で通っている。そして、3ヶ月が過ぎた頃、「夜の空いてる時間にバーやらせて下さい!」と申し出てみたら、「やってみれば」とすぐに快諾いただき、こうしてバーを始めたというわけなのだ。

そもそも、私は「火鉢クラブ」というものをやっていて、将来「火鉢カフェ」を作ることを目標に、火鉢や七輪で炭火を囲んで楽しむイベントなどをたまに開催している。それで、バーにもミニ七輪や小さな火鉢を置いて、バー「火鉢」とすることにした。



というわけで、やっとのことで「バーを始めた理由」である。

のっけから身も蓋もないけれど、バーを始めたのはお金が無くなってきたからだ。それに尽きる。このままでは生活できなくなってしまう…、なんとかお金を作らねばと思って、ここしばらくいろいろ新たな試みを模索してみたのだが、ことごとく爆死してきた。そして、さてどうしたものかと思った時、目の前に「隣町珈琲」(バーをやらせてもらってるお店)があった。

丁度、テレビではドラマ「黒革の手帖」が放映中。主人公の原口元子(武井咲)が銀座のクラブで、札束ヒラヒラさせながら売り上げを数える姿を見るたびに、「銀座のクラブで働けたらな〜」と妄想した。けれど、アラフィフのメガネおばさんがそんなこと思ったとて、それはずんの飯尾が、ネタで「あ〜あ、何でも10円で買えたらなあ〜」と言うのと変わらない。

しかし、次の瞬間思ったのである。
「銀座は無理でも、荏原中延の喫茶店でならやれるかも…。」

水商売はやったことはないし、この歳になっても男と間違われるほど色気も無い。これまでの私をよく知る人なら、私がママと名乗ることを相当意外に思うはずだ。けれど、隣町珈琲の営業は18時で終了、夜は空いている。オーナーの許可さえ出れば店舗探しも開業資金もなく使うことが出来る。他の仕事探しをするような履歴書作りも面接も試験も無い。これほどすぐに日銭を稼げる仕事があるだろうか。そう思った途端、黒革の手帖を携えて、角丸の名刺を手に、営業している自分の姿が浮かんだ。

今の時代、金融機関から開業資金は借りづらく、東京の家賃は上昇傾向(五輪のせいです)、新規開業することはなかなか難しい。こうして、間借りで開業の練習をやらせてもらいながら、その経緯をブログで綴ることはひとつの実験にもなるんじゃないかとも思った(ちなみに、私はかつて食品衛生の講習会に行き、免許はもらっておりまする)。

そう思ったのが9月の半ば、その2日後にはオーナーの平川さんに相談し、その場で、とりあえずやってみればとの返事をいただけた。すぐに隣町珈琲の店長と話して、善は急げで10月には夜のバーもオープンすることに決めたというわけ。

昼に週1でやっている喫茶のバイトは時給制だが、夜のバーは基本、私1人が切り盛りして、売り上げに応じて歩合にすることにしてもらった(なのに、ここ2回は店長にも手伝ってもらってて、すいません…)。私の収入が増えれば、隣町珈琲も潤うわけで、これは上手く行けばいい仕組みだ。ただ、隣町珈琲は以前バーもやっていたが、あまりのお客さんの少なさに夜の営業をやめたという経緯を持つ。これはかなり営業しないと厳しいかもしれない・・・。

長くなって来たので、今回はここまで。
次は、なぜ私が金欠に陥ったのかを・・・。


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