水商売はバカでもできる仕事ではないのである



*facebookに投稿したエントリですが、ブログにも同じものをアップします。

「バー火鉢」はどっちかというと「スナック火鉢」とした方がいい感じの店で、もっと細かいニュアンスをいうと「火鉢クラブ」というのがやはり最もしっくりくるなあなんてことを考えていたら、スナックについての取材を進めるテレビ関係者にこんな苦言を呈する方のブログの記事がfacebookに流れてきました。これは水商売というものを実際にやってみてまさに実感していることだったりします。

上のリンク記事から一部引用すると・・・
(以下引用)
『日本の夜の公共圏 スナック研究序説』の最後のほうで、私は以下のように書いています。
「敢えて「学術的」ということを強調したのは、スナックを含む水商売を軽く見る向きへの私の中の反発心があり、「どうだスナックというのは、こんな立派な研究の対象たりうるものなのだ」と誇って示してやりたいというのが私の本音にある。世の中には水商売を軽く見る手合いもいるが、そもそも、水商売はバカでもできるような仕事ではないのである。一生懸命、真面目に日々の営業をしている夜の街のママやマスターたちに、わが国が誇る独自の文化の担い手として、誇らかな自信を持ち元気になって欲しい、というのが本書の隠されたメッセージでもある[214頁]」
(引用以上)
苦言を呈する谷口さんは、そんなスナックを「場末」「お酒やおつまみがあまり美味しくないのに足を運んでしまう」と定義づけ、新進気鋭の実業家やクリエーターたちがそこにビジネスのヒントを求めていると語るテレビ取材者にお怒りなわけですが、その怒りには私も同感です。
新進気鋭の実業家やクリエーターのほうが場末のスナックより偉いんかい!!スナックに「ビジネスのヒント」を求めに行くような奴にスナックの良さなど分かるわけがないと思います。
そして、最も共感するのが「そもそも、水商売はバカでもできるような仕事ではないのである」の部分。今まさに私は水商売の難しさ、バカではできないことを実感しています。体力も必要。そして真面目でなければできません。私なんて毎日営業じゃないにも関わらず、はやくも弱音を吐いています。
まず、どんな店でやっていくか、コンセプトの立て方のむつかしさ。日々のおつまみのアイディア、買い出しも含めた実際に作る労力、それを提供する手際よさ、材料を残さないおつまみローテーション、そして客あしらいの巧さ、会話力、愛嬌などなど。客の話を聞き続けるということがいかに体力のいることなのか、それをしながらの調理、洗い物。何気なくやっているようで、実際にやってみると、それはかなりスーパーなことだとわかります。スナックに限らず、ちいさな小料理屋など、ママや女将1人で切り盛りしている店が多々ありますが、それを毎日やることがいかに大変なことか…。もちろん、向き不向きはあると思いますが、今、すべてのママや女将たちに尊敬の念を禁じ得ません。
ああなんて私は怠け者なのだ…。不真面目なのだと、水商売を始めてやって痛感させられております。ちなみに私はこれまで人生の大半をテレビ番組を制作する仕事で食ってきておりましたが、それさえも全うできず、ちょっと休みたくなってしまい、ここにきて人生に迷っておる始末でございますが、そんな私が軽くバーのママになるなどと口にしていいのか…そう思わせられた次第です。
でも、いろいろ模索してみますのでバー火鉢にぜひおいで下さい。店名変えるかな…などとも思ったりしてますが…。

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